最高裁判所第二小法廷 昭和48(行ツ)4 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人横田真一の上告理由第二点について。
控訴審がその判決に事実及び理由を記載するに当つて第一審判決を引用すること
ができることは、民訴法三九一条に明記するところであり、しかも、控訴審判決に
第一審判決の引用を認めても、そのことは審級制度になんら反するものではない。
また、上告人は本件不動産を現に所有するものとはいえないとした原審の認定判断
は、原判決挙示の証拠関係に照らし正当として是認することができ、所論引用の甲
号各証も右認定を左右するに足りない。原判決に所論の違法はなく、論旨は、ひつ
きよう、独自の見解に立つて原判決の違法をいうか、又は原審の専権に属する証拠
の取捨判断、事実の認定を非難するものであつて、採用することができない。
同第三点について。
上告人の被上告人静岡県知事に対する訴えを不適法として却下した原審の判断は
正当であつて、原判決に所論の違法はない。所論違憲の主張は、原判決に右違法が
あることを前提とするものであつて、失当である。論旨は、採用することができな
い。
同第四点について。
民事訴訟事件について和解の権限を有する訴訟代理人は、右事件が調停に付され
た場合、当該調停についても当然に代理権を有するものと解すべきである。また、
民事調停法上農事調停の手続によることが要求されるのは、農地等の利用関係の紛
争に関する調停の場合のみであつて、農地の所有関係の紛争に関する調停事件は、
農事調停の手続によることを要するものではない(同法二五条参照)。右と同旨の
- 1 -
原審の判断はいずれも正当であつて、原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつき
よう、独自の見解に立つて原判決を論難するものであつて、採用することができな
い。
同第五点ないし第七点について。
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、すべて正
当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、
原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採用すること
ができない。
よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 岡 原 昌 男
裁判官 小 川 信 雄
裁判官 大 塚 喜 一 郎
裁判官 吉 田 豊
- 2 -